なんだか「大きいこと言ってるなー!!」というタイトルになってしまいました。
こうして文字にすると、たしかに大げさな感じがしますが、内容はごく平凡なことです。
本当に、セールスライターをやっている人なら、そんなことは当然だと思うようなことなのですが、あらためて文字にしておこうと思います。
うわべの言葉
実はこれも、ある仕事でLPを書いたときの反省です。
LPのボディコピーは、一部認識間違いがあったので修正しましたが、そこはすんなりとクライアントからOKはいただけました。
しかし、ちょっとしたキャッチコピー(それも、そんなに重要とは思えないところ)でNGが続きました。
クライアント様の感想では、「安っぽい」とか「なんか物足りない」といった漠然としたものだったのですが、なんだかそれ以上の言葉を飲み込んでいるように僕からは感じました。
話をしていると、クライアント様のその商品に対する愛情の大きさがわかりました。
どうやら、僕が提出した言葉は、その愛情に見合う言葉ではなかったようです。
正直に言いますと、たしかにそうなのです。
商品が売れてほしいとは思っていますし、それなりに考えてコピーを書いたつもりなのですが、やはり僕の熱量はそこまで高くなかったのです。
ですから『商品のことを頭に浮かべてそこから湧き上がってくる言葉を待つ』ということはせず、キャッチコピーを集めた本を見てそこからこの商品にハマりそうな言葉を選んでいたのです。
売れる言葉から入ろうとしない
結局、そのようにして集めた言葉を多少いじくっただけのコピーしか書けませんでした。
修正ということで、追加で数十個のコピーを提出したのですが、すべてボツでした。
代わりに、そのクライアントさんが自分で考えたコピーを僕に送ってきました。
読むと、それらは愛情を感じるものばかりでした。
そんなに難しい言葉やかっこいい言葉などは使ってなく、ごくありふれた言葉ばかりだったのですが、読むと商品に対する想いが伝わってくるのです。
僕が書いたものは、売れそうな言葉を本から拾ってきたもので、どこか軽さや冷たさを感じるのですが、そのクライアント様の言葉は重みがあってあたたかいのです。
売りたいという気持ちでは僕よりもクライアント様のほうが強いと思うのですが、売れる言葉ではなく想いが伝わる言葉を選んでいたのです。
ライターとして出直そう
本当に恥ずかしいと思いました。
自分では「言葉のプロ」のつもりでいましたが、基本ができていませんでした。
やはり、言葉とは想いを運ぶものなのです。
ですから、どんなにそれらしい言葉を選んでも、しっかりした想いがなければただの薄っぺらさしか残らないのです。
かつての友人でミュージシャンをやっている者がいました。
その彼と音楽について話をしているときに、テクニックについての話題の中で彼がこのような言葉を言いました。
『テクニックとは、所詮給仕のようなものだ』
これは、給仕が優秀であっても料理が粗末なものであれば、人を満足させられないように、音楽もテクニックがあっても感情が乗っていなければ、人を感動させられないという意味です。
今回のことはまさにこれです。
どんなに言葉を良くしようと思っても、想いが弱ければ人を動かすことはできないということです。
ライターとして最も大事なことを忘れてしまっていました。
クライアント様に負けない想いで文章を編んでいこうと思います。
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